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性感染症とは

■性感染症とは

 性体験があれば誰でも可能性があります。

 感染しても多くの場合、症状は軽微、または無症状です。そのため知らず知らずのうちに人から人へと感染していきます。

 HIV感染症以外は生命を脅かすような重篤な疾患はありません。しかし、放置すると男性では精管が炎症により閉塞し無精子症になったり、女性では卵管や子宮の炎症により、流早産、子宮外妊娠、不妊症の原因になることがあります。またクラミジアや淋菌などの感染があるとHIVに感染する確率も4〜5倍高まると言われています。

 性感染症について正しい知識を持ち、可能性がある場合には検査を受け自分の健康を守るとともに相手をも守るという気持ちが大切です。


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クラミジア感染症

■クラミジア(クラミジア尿道炎、クラミジア頚管炎)の症状、検査、治療

クラミジアトラコマチスの感染により1〜3週間の潜伏期を経て男性ではクラミジア尿道炎、女性ではクラミジア子宮頸管炎を起こします。

  1.クラミジアの症状

 男性の症状は尿道の炎症による症状で尿道の痒み、尿道不快感、軽度の排尿痛です。症状が軽微なため自分ではまったく気づかず感染を続ける(持続感染)ことがあります。炎症が精管や副睾丸(睾丸の脇にある臓器)に及ぶと内腔が閉塞し精子が通過しなくなって無精子症となり不妊となることがあります。


 女性では感染初期には帯下の増加、膿性帯下などの症状が現れることもありますが、まったく無症状のまま経過し、検査をして初めて診断されることも多数あります。無症状のままクラミジア感染が持続し、卵管や骨盤空内に及ぶと子宮外妊娠や不妊症の原因となることがあります。クラミジア骨盤腹膜炎では原因不明の下腹部の痛みを起こします。(帯下:オリモノのこと)


 クラミジアの持続感染があるとたとえ無症状であっても、性器粘膜は炎症のために傷がつきやすい状態になっています。そのため健常人に比してHIV感染の危険は4〜5倍高くなるとされています。


 最近はオーラルセックスなどのため咽頭に感染しクラミジア咽頭炎を起こす人も多くいます。風邪薬などで治りが悪い場合はクラミジアや淋菌などの性感染症によるクラミジア咽頭炎や淋菌性咽頭炎を疑います。


 性器を触った手で眼をこすりクラミジア結膜炎(眼の痒みや充血)を起こすことがあります。眼科で結膜炎からクラミジア感染を疑われることもあります。

2.クラミジアの検査

 男性では尿検査で尿中のクラミジアを証明することにより診断されます。クラミジア遺伝子を核酸増幅により検査するPCR法、TMA法、ハイブリッドキャプチャー法などがあります。一日のうちでは起床時尿(初尿)は尿道のクラミジアを多量に排出するために、慢性になっていて菌量少ないと予想される人でもクラミジアを検査することができます。


 女性では子宮頚管分泌物中のクラミジアをPCR法、TMA法、ハイブリッドキャプチャー法などの検査によって検出することで診断できます。血液検査(クラミジア血中抗体価)は過去の感染を反映しても現在の感染を必ずしも反映していないために価値としては参考程度となります。血液検査で陽性でも必ずしもクラミジアに現在感染しているとは言えません。


3.クラミジアの治療

 内服薬で治療します。
  マクロライド系の抗生物質(クラリス、クラリシッド等)を内服1日2回、1〜2週間
  テトラサイクリン系の抗生物質(ミノマイシン等)を内服1日2回、1〜2週間
  アジスロマイシン(ジスロマック)4錠単回投与
  ニューキノロン系を1日2〜3回、1〜2週間
      などです。


 8割の人は上記の治療で完治します。薬剤抵抗性の菌の場合や、不定期の内服、ピンポン感染などにより1〜2割の人では再発、あるいは治療に抵抗する場合があります。必ず治るまで主治医の指示に従ってください。



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淋菌感染症

■淋菌感染症(淋病)の症状、検査と治療

淋病では男性では淋菌性尿道炎、女性では淋菌性子宮頚管炎となります。典型例では男性では排尿痛と黄緑色の排膿があります。女性は一時的な帯下の増量、膿様帯下ですが無症状のこともしばしばあります。

 1.淋病の症状

 淋菌の感染により3〜6日の潜伏期を経て男性では淋菌性尿道炎、女性では淋菌性膣炎、淋菌性子宮頚管となります。1回の接触による感染率は30%とも言われます。接触の時間、密度は様々であり正確な感染率はわかませんが淋病の感染力は強いと言えるでしょう。淋菌自体は生命力の弱い菌で高温や乾燥に弱く尿道や子宮、膣などの中に守られて生き長らえることができます。それゆえ空気感染や飛沫感染は無く性器間の接触によって始めて感染します。淋病が性病と言われる所以でもあります。

 男性の淋菌性尿道炎の症状は黄色膿の排出、排尿痛などでクラミジア尿道炎よりも一般的に症状は強いです。排膿や排尿痛があっても放置していると症状は3〜5日で改善することもありますが、これは治ったわけではありません。淋菌はいつまでも尿道内に感染し、性接触によって相手を感染させることになります。

 女性でも感染当初は帯下の増加、悪臭、膿性帯下などの症状が現れることもありますが、それに気づかず自然に症状が改善し無症状となっていたり、あるいは感染の初期からまったく無症状のこともあります。無症状の男性や女性が原因となって性病(性感染症)が伝播しています。(帯下:オリモノのこと)

 クラミジアと同様に男性では精管や、副睾丸に炎症が波及し不妊症となることがあります。女性では卵管などに炎症が及び子宮外妊娠、不妊症、腹痛の原因となることがあります。

 淋菌が咽頭から検出される人も増えています。淋菌が咽頭に感染していても淋菌性咽頭炎となっていても症状の乏しい場合が多く、パートナーあるいは自身の再発の原因となっています。男女を問わず、性器から淋菌が検出される人の30%で咽頭の淋菌が検出されるという報告があります。

 肛門性交により直腸内に淋菌が感染することがあります。

  2.淋病の検査

 男性では尿または尿道分泌物(膿)の淋菌を確認することにより診断します。尿道分泌物(膿)をスライドグラスにとり淋菌を染色して顕微鏡で観察する検査方法や、尿中の淋菌を核酸増幅法により確認するPCR法、ハイブリッドキャプチャー法、SDA法などの検査があります。症状の乏しい場合や慢性的になっている人では起床時尿(初尿)が検査には有用です。

 女性では子宮頚管分泌物中の淋菌をPCR法、ハイブリッドキャプチャー法などで検査します。

 咽頭感染では口腔内には淋菌と同じナイセリア属に属する常在菌がいるためにPCR法では擬陽性が出てしまいます。SDA法などが適します。

 3.淋病の治療

内服薬        セフスパンを内服1日2回、1〜2週間
             ニューキノロン系を1日2〜3回、1〜2週間
注射薬        セフェム系抗生物質静脈注射(単回)   
             トロビシン筋肉注射(単回)
            などです。
  治療期間は淋病の症状により増減します。

 いずれの治療にても無効例もあるため主治医の指示に従って治ったことを確認してください。



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膣トリコモナス感染症

■膣トリコモナス症の症状、検査と治療

 トリコモナス原虫によっておきる性感染症です。

 1.トリコモナスの症状

 膣トリコモナス原虫の感染によって生じる性病(性感染症)です。女性では膣炎を起こしとても痒く、泡沫状の帯下を特徴とします。他細菌も繁殖して症状が強くなると、膣や外陰部の刺激感、強い掻痒感、悪臭の強い帯下の増加をもたらします。その一方30〜40%の人は無症状です。(帯下:オリモノのこと)

 男性では尿道や前立腺内に寄生し尿道炎や前立腺炎の原因となりますが90%以上の人は無症状です。

*近年の報告では、HIV感染者の多いアフリカやアフリカ系アメリカ人での、HIV陽性者とトリコモナス感染者との関連についての研究から、トリコモナス感染はHIVの感染率を2〜3倍に増加させている危険性が指摘されています。これはトリコモナス感染により膣壁の正常の細菌防御機能が破綻するためと考えられます。

  2.トリコモナスの検査

 女性では膣分泌物の中のトリコモナスを検査することによって診断します。白血球より一回り大きめで鞭毛が鞭打つように運動しているために女性でのトリコモナス検査は比較的容易です。しかし見逃すこともありその場合は培養法が有効です。男性は尿中や精液、前立腺液中のトリコモナスを検鏡あるいは培養によって検査します。しかし男性で発見される確率はかなり低く、男性の検査の結果が陰性であっても、パートナーがトリコモナス陽性の場合には男性も治療しておいたほうが良いでしょう。

トリコモナスの映像は下記を参考ください。動いているトリコモナスが見られます。 http://www.seibyouka.com/catricho.html

 3.トリコモナスの治療

  フラジールを内服1日2回、10日間
  フラジール膣剤 

    などです。 

 フラジールはアンタビュース作用のある薬剤です。内服中の飲酒で腹痛、吐き気、顔面紅潮などが出現することがあります。フラジールで治療中はアルコールを避けましょう。
(アンタビュース作用:アルコールやアルコールの分解産物が身体内に蓄積し悪酔い状態になること) 



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カンジダ

■膣カンジダ症の症状、検査、治療、再発

 症状は外陰や膣の掻痒感と帯下の増量です。発症には何らかの誘引がある場合が多く、とりわけ多いのは抗生物質の長期内服後です。

 1.カンジダの症状

 女性での症状はカンジダの性器への感染によっておきるカンジダ外陰炎やカンジダ膣炎です。自覚症状として外陰や膣の灼熱感、痛み、掻痒感、他覚所見として外陰皮膚の発赤などが現れます。帯下はしばしば粕状、ヨーグルト状、粥状となります。
女性の膣にはデーデルライン桿菌と言う乳酸菌の仲間が常在菌として存在しているために、膣内は酸性に保たれ雑菌が繁殖しないようになっています。しかし抗生物質の連用などによってデーデルライン桿菌が減るとカンジダなどが出現繁殖してきます。(帯下:オリモノのこと)

 カンジダ膣炎は性行為によって感染するというより、体調の変化や、抗生物質やステロイドなどの薬剤治療の影響を受けて発症する場合が多くあります。

 男性ではカンジダに感染しても症状が出現することは稀です。亀頭の発赤や掻痒感などがあれば疑います。包茎の強い場合、糖尿病、ステロイド治療などの場合カンジダの症状が出やすいと言えます。

 カンジダ症は男女とも性行為とは関係なく発症する場合がほとんどです。

  2.カンジダの検査

 外陰または膣内のカンジダを検査で診断します。膣内容物をスライドグラスに採り顕微鏡で観察(検鏡)する方法や膣内容物を培養にて検出します。健常人女性でも10〜20%でカンジダを保有しています。 カンジダが陽性に出ても自覚症状が無ければカンジダの治療の必要はありません。男性でも同様にカンジダが陽性に出ても自覚症状が無ければカンジダの治療の必要はありません。

  3.カンジダの治療

カンジダ膣炎の治療     膣洗浄、膣剤(エンペシド、フロリード、アデスタンなど)
カンジダ外陰炎の治療    クリームや軟膏の局所への塗布(外用)
男性の治療          クリームや軟膏の局所への塗布(外用)

  4.カンジダの再発

女性でカンジダ膣炎の再発を繰り返す場合には男性パートナーのカンジダ感染を調べておく必要があります。現実的には男性はカンジダに感染していても無症状のことが多いので、カンジダ膣炎の再発を繰り返す女性のパートナーには無症状であってもクリームなどの外用剤で治療をすることをお奨めします。

 また、女性でカンジダ膣炎の再発を繰り返す場合に自己腸管内のカンジダ感染が原因とする考えがあります。自己の腸内にいるカンジダ菌が肛門から外陰を経て膣内に達してカンジダ膣炎を再発するという考え方です。今のところ賛否両論に分かれています。



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ヒトパピローマウイルス

■ヒトパピローマウイルス(HPV)

 子宮頸がん予防のためにヒトパピローマウイルス検査(HPV検査)をお奨めします。

●ヒトパピローマウイルス(HPV)とは?

 ・子宮頸がんの原因ウイルスです。
  ・性交渉を持ったことのある多くの女性が感染します。
  ・通常は感染しても2年以内に自然に治ります。
  ・HPVが消えずに感染が長期化(持続感染)した場合、がんの前段階(異形成)を経て、子宮頸がんになる可能性があります。
・尖圭コンジローマを起こすヒトパピローマウイルスは低リスク型で、子宮頸がんの原因となるウイルスは高リスク型でこの2種類は違った型です。

●HPV検査で何がわかるの?

HPV検査により将来の子宮頸がんになる危険性がわかります。
・HPV陰性
  →子宮頸がんの危険性はほとんどありません。
・HPV陽性
  →繰り返し陽性となった場合、がんの前段階から子宮頸がんとなる危険性があります。

●HPV陽性と診断されたらどうすればよいの?

 HPV感染は特別なことではありません。
  陽性であってもほとんどの場合は自然に消失します。
  念のため一度婦人科で診察をを受けてください。そこで異常がなければ、
  1〜2年後にHPVが消失しているか再検査を受けて確認してください。


この挿図は三菱化学ビーシーエル様より提供していただいたものです。

●男性のヒトパピローマウイルス(HPV)

ヒトパピローマウイルス(HPV)が感染すると一般に細胞増殖が活発になります。亀頭や包皮の周りに発赤や痒みなどの炎症所見が現れたり、消しゴムの削り粕のような白い垢が出現したときなどにHPV感染の可能性が考えられます。
しかし、男性のヒトパピローマウイルス(HPV)の疫学、病態についてはまだ不明なところが多く、検査の結果は参考値としてください。また、検体の採取方法(検査のしかた)などについては今後変わる可能性があります。
検査の意義、重要性について今のところ統一された見解は出ていません。

女性にヒトパピローマウイルスを感染させているのは男性です。
男性にヒトパピローマウイルスを感染させているのは女性です。



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尖圭コンジローム

尖圭コンジローム(コンジローマ)の症状、写真(画像)、治療、予防、再発

 尖圭コンジローム(コンジローマ)は6型や11型などの低リスク型ヒトパピローマウイルスの感染によっておきる性感染症です。子宮頸がんと関係するのは中〜高リスク型のヒトパピローマウイルスで別のタイプ(型)です。

 1.尖圭コンジローム(コンジローマ)の症状

 尖圭コンジローム(コンジローマ)は皮膚のいぼ(イボ)状の隆起性病変です。かゆみや痛みはありません。

 好発部位は男性では亀頭、冠状溝周囲の包皮です。時に肛門周囲や陰茎根部の陰毛に隠れたところにできることもあります。肛門性交では直腸内にできることがあります。女性での好発部位は小陰唇、大陰唇、膣、などの外陰部皮膚表面ですが肛門周囲や膣内に及ぶことがあります。

 ヒトパピローマウイルスの感染から症状出現までの潜伏期は2週から3ヶ月位と考えられています。いぼが出現しても自然に消失することもありますが、多くの場合はコンジローム(コンジローマ)が少しづつ増えてきますので早く治療したほうが良いと思います。

 扁平コンジローム(コンジローマ)

梅毒の第2期症状で性器や外陰部に出現する扁平な皮膚の隆起状の病変です。血液検査で梅毒血清反応が強陽性に出ます。

2.尖圭コンジローム(コンジローマ)の写真(画像)

  男性の尖圭コンジローム(コンジローマ)の参考写真

  男性、女性、肛門の尖圭コンジローム(コンジローマ)の参考写真

3. 尖圭コンジローム(コンジローマ)とよく間違える疾患

多くの人が尖圭コンジローム(コンジローマ)ではないかと心配されて受診される疾患に陰茎真珠様小丘疹フォアダイスがあります。

●陰茎真珠様小丘疹(Pearly Penile Paplues)
  陰茎真珠様小丘疹は亀頭の縁(えら)にそって小さな1〜2mmの点状の小隆起として生じます。みな大きさがそろっていること、規則正しく並んでいることからコンジローム(コンジローマ)と容易に鑑別できます。陰茎真珠様小丘疹は10代から20代では目立つことがあります。思春期男性の20〜40%くらいで出現します。血管や線維の固まりです。治療する必要はありません。陰茎真珠様小丘疹は男性にだけできます。包茎の程度と関係があり、包茎の程度が強いほうが目立つ傾向があります。放置しておくと年とともに目立たなくなります。

陰茎真珠様小丘疹の参考写真

●フォアダイス(Fordyce) 
フォアダイスは男性では陰茎のシャフトの腹側(下側)ないし側面にできた黄色い顆粒状のブツブツです。女性では陰唇周囲にできます。口唇などにもできます。普通は毛包といっしょにある皮脂腺が毛包とは関係なくできたものです。目立つ人では性感染症ではないかと心配して受診されます。生理的な変化で小さな一時的な変化も入れればしばしばあります。心配ありません。治療の必要もありません。 

フォアダイスの参考写真

4.尖圭コンジローム(コンジローマ)治療

 尖圭コンジローム(コンジローマ)の治療法は外科的切除、電気焼灼、炭酸ガスレーザー、液体窒素による凍結療法などがあります。いずれの治療も健康保険が使えます。治療費は薬代を入れても3,000〜5,000円くらいで10,000円を超えることはありません。

 塗り薬は抗がん剤などを治療薬として代用することがあります。抗がん剤は保険適応になっていません。平成19年12月に保険適応のコンジローム(コンジローマ)用の塗り薬が発売されています。べセルナクリームといいます。週に3回(例えば月、水、金または火、木、土など)塗ります。寝る前に塗って起床時にシャワーでよく落とします。皮膚の発赤、痛み、びらんなどの副作用に注意しながら医師の指示に従って使用してください。薬局での市販はされていません。

 いずれの治療にても、コンジローム(コンジローマ)ができている範囲を全部治療しても、病変が出現していない一見正常に見える皮膚にウイルスは潜んでいます。ここから新たな病変が出現(再発)してくることがあります。その場合もう一度治療することが必要です。症状の範囲が広い人、コンジローム(コンジローマ)が多発している人程、再発する傾向があります。再発しても治るまで根気よく治療してください。必ず治ります。

5.尖圭コンジローム(コンジローマ)の再発と予防

 コンジローム(コンジローマ)が再発する場合は、多くは2週間から3ヶ月の間に発生します。3ヶ月を超えて再発することは稀です。この間は相手に感染させないために性行為は控えたほうがよいと思います。現在のところコンジローム(コンジローマ)の確実な予防法はありません。

 コンドームが予防にはある程度有効です。しかし陰茎根部や肛門周囲などコンドームでも覆えない部分の皮膚の接触によってウイルスの伝播の可能性を否定できません。


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風俗と性感染症

■風俗と性感染症(性病)


 1.風俗に勤める女性と性感染症

 風俗に働く女性の多くは性感染症(性病)についての知識を持っていません。「専門家だから病気の教育を受けているだろう。」、「イソジンでうがいをしているから大丈夫だろう」と思うのは勘違いです。お店によっては定期健診を受けていることをネットで宣伝したり、受付に張り出してあるところがありますが、彼女たちは毎日何人ものお客にサービスを提供しています。あなたの前にサービスを受けていたお客さんが病気を持っていたら、昨日のお客さんが病気を持っていたら?  あなたは病気になってしまうかもしれません。  いくらイソジンでうがいをしても、歯を磨いても、彼女たちの口の中にはたくさんのクラミジアや淋菌が新鮮なまま残っています。

 慢性的に病気を持つと自覚症状は無くなります。彼女たちも残念ながら自分が感染していることに気づかずに仕事をしているのです。

 お客のほうにも問題があります。風俗に月に何回も通う人がいます。知らない間に病気になってお店からお店へ、何人もの女性に、知らない間に感染させています。そんな人を通じてあなたも感染してしまうかもしれません。

 あなたが彼女に感染させている可能性だって考えられます。

 2.オーラルセックス

 「オーラルセックスだから大丈夫だろう。」と思っている人が大変多いのに驚きます。淋菌もクラミジアもとても弱い菌です。皮膚の表面や、物の表面、お風呂の中などでは長く生きられません。高温、乾燥、洗浄などに耐えられないからです。尿道や膣、子宮内などに感染するのはそこが温かくて、湿度があって、栄養があって住み心地がよいからです。口の中も同じように性病の菌にとっては住み心地のよい環境です。淋菌やクラミジアなどの性病の菌は性器と性器、性器と口などの密接な接触がないと感染しません。性行為感染症といわれる所以はここにあります。

 性風俗のサービスとしてオーラルセックスが盛んになるにつれ、オーラルセックスはコンドームを着用しないこともあって性感染が蔓延する原因となっています。 口腔内の性感染は消毒薬のうがいでは治りません。また治療期間も長くかかることが知られています。

 3.風俗で感染する可能性の高い病気、感染する率(危険度)

 風俗へ行った後に病気になってくる患者さんで一番多いのはクラミジアです。次が淋病です。コンジローマ、ヘルペス、非淋菌性非クラミジア性尿道炎などもあります。最近はHIVや梅毒の可能性も否定はできません。
 1回の性行為によって感染する率は淋病で30%とかHIVは2〜3%以下とか言う報告もありますが受けたサービスの内容、接触の時間、接触の濃度によって感染する危険率は変わってくるので一概に何%とは言えません。

 4.症状が出るまでの期間(潜伏期間)

 菌が体内に侵入してもすぐに症状が出るわけではありません。菌が増殖し炎症を起こしてはじめて発症します。この期間を潜伏期といいます。菌の強さ、菌の量、自身の免疫力、男性では接触後の排尿までの時間などいくつかの要素の影響を受けます。一概には言えませんが目安として潜伏期間は淋病で3〜7日、クラミジアで10〜14日、梅毒で2〜3週間、コンジロームで3週間から半年、HIVでは数年〜10年位です。

 5.もし風俗に行ってしまったら.... 。

 家族にうつさないために
       ・風呂は最後に入る。
       ・タオルは共用しない。
       ・パートナーとの性的接触をしない。
       ・症状がなくても2〜3週間したら医者へ行って検査をする。


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梅毒の症状と写真

■梅毒の症状、検査と治療、写真


梅毒の病原体トレポネーマTreponema pallidumによる性行為感染症。

症状】 
 梅毒は性行為または性行為類似の行為によって感染します。梅毒の病原体は”トレポネーマ”と言い、皮膚や粘膜の傷を通して体内に侵入し感染が成立します。先天梅毒と後天梅毒に分けられ、後天梅毒は4期に分類されます。

先天梅毒
 梅毒に感染した母親から胎盤を経由して胎児に感染します。胎児が妊娠早期に感染すると死産または早産になります。出産できた場合は生後数週あるいは学童期、思春期になって内臓、歯、皮膚、中枢神経などにさまざまな病変を来たします。
先天梅毒予防ため産婦人科では妊娠早期に母体の梅毒の検査をしています。

後天梅毒
 性的接触によって感染します。
”3−3−3” (3週間、3ヶ月、3年)に症状が出ます。

第1期
 感染から3週間たった頃、感染部位(トレパネーマ侵入部位)の皮膚あるいは粘膜に5〜15mm位の硬結ができます(初期硬結と言う)。好発部位は男子では包皮、亀頭とその周辺、女性では大小陰唇とその周囲です。初期硬結(軟骨用の硬さ)は放置するとそのまま数週で自然消失する場合と、中心部に潰瘍を形成し、周囲が固く盛り上がってくる場合がります(硬性下疳と言う)。その後そ径リンパ節が無痛性に硬く腫れる事があります。
 初期硬結も硬性下疳も痛くも痒くもないためにしばしば見過ごされます。またこれらの症状は放置しておくと2〜3週間の間に自然に消失しますが梅毒が治ったわけではありません。トレポネーマは体の内部に隠れて増殖します。

第2期
 感染から3ヶ月たった頃、トレポネーマは血行性に全身に散布され、全身の皮膚と粘膜に梅毒病変を起こしてきます。体幹、四肢、顔面などに出現する淡紅色の発疹でその色からバラ疹と呼ばれます。バラ疹は痛くも痒くもなくやがて消退します。その後、丘疹性梅毒疹や扁平コンジローマ(肛門周囲や外陰部、陰茎にできる扁平に隆起した腫瘤)ができることがあります。これらの症状は無治療でも消退と再発を繰り返すことがあります。
梅毒血清反応は強陽性です。

下の写真梅毒第2期の手のひら、足、陰茎(ペニス)亀頭部の梅毒疹です。

第3期
感染後3年以上経過するとトレポネーマは体内に入りここで増殖しゴム腫という腫瘤を作り皮膚症状を起こしたり内臓組織を破壊します。

第4期
感染後10年以上経過すると心血管系や中枢神経系に入り、血管炎、大動脈瘤、進行性麻痺、痴呆などの症状を呈します。

治療法
 ペニシリン系抗生物質を2〜3週間内服します。

 梅毒血清反応(STS)は治療してもなかなか低下しません。陰性化には数ヶ月〜数年かかります。
 STSの低下を指標にしていると抗生物質の長期投与になってしまいます。
 TPHA法は一生陰性化しないので治療の目安にはなりません。
 ペニシリン系抗生物質を2〜3週間内服します。

治療の目安
 梅毒血清反応(STS)は治療してもなかなか低下しません。陰性化には数ヶ月〜数年かかります。
 STSの低下を指標にしていると抗生物質の長期投与になってしまいます。
 TPHA法は一生陰性化しないので治療の目安にはなりません。


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毛じらみ(ケジラミ)の診断、写真と治療

■ケジラミ症


吸血性昆虫ケジラミの陰毛への感染。

症状
 陰毛の生えている部分を中心とした痒みが主症状です。時に肛門周囲や大腿などにも及びます。原則として頭髪にはケジラミは感染しませんが、稀に幼少児や女性で頭髪に寄生することがあります。痒感を自覚するのは感染後1〜2ヶ月した頃です。その程度は個人差があり、数匹で痒みを感じる人から、多数匹がいてもあまり痒みを感じない人もいます。
  痒みがあっても皮疹などの皮膚所見が無いのが特徴です。

シラミは皮膚から吸血し、痒み、湿疹などを起こします。
人体に寄生するシラミは、アタマジラミ、ケジラミ、コロモジラミに分類されます。
痒みを自覚するのは感染後1ヶ月した頃です。

アタマジラミ:体長2〜3mm。
        頭髪に感染します。
        帽子、寝具、ロッカーなどの共同使用や学校などの集団生活での発生
        が多い。

ケジラミ   :体長1.2〜1.5mm。
        陰毛に寄生しとても痒い。
        よく観察すると毛に白い点々として見つけることができます。
        成虫は動いています。卵は動きません。
        主に性行為により感染します。
        子供では稀に頭髪、眉毛、まつ毛などに寄生する事があります。

コロモジラミ:体長2〜3mm。
        衣類の縫い目などにつきます。


シラミの生態

   7〜10日            7〜16日             生息期間約1ヶ月

卵...........幼虫................成虫.............//

          幼虫の期間に卵を産むことはありません。

診断方法
 陰毛が痒かったら患部をよく観察してください。虫体または卵が確認できればそれで診断となります。
 自己診断できます。
 下着のシラミの排泄による黒色点状の染み(血糞)も参考になります。

下の写真
陰毛についたケジラミ(毛じらみ)の卵(左)、ケジラミ(毛じらみ)の成虫(右)

毛じらみの卵 毛じらみ成虫写真

治療法
 シラミ駆除剤”スミスリン”を薬局で購入します。パウダータイプとシャンプータイプがあります。
(当院の近所の薬局ではパウダーが1本¥1710、シャンプーが¥2840でした。)
パウダーの場合、患部に散布し手やブラシで隅々までいきわたるようにします。1時間後、水、石鹸等で洗い流します。この操作を1日に1回、3日に1度ずつ(2日おきに)、3〜4回繰り返します。卵の時は殻に覆われ、薬の効果が浸透しないので何度かに分けて退治します。

 剃毛も効果的ですが完全剃毛は不可能です。スミスリンの併用が理想的です。

家庭内感染を予防するために
 虫は人体から離れても48時間は生存します。
下着、シーツ、タオルなどの共用を避け、毎日こまめに洗濯を、アイロンはより効果的です。
危ないと思ったら、家族そろって同時に駆除したほうが良いでしょう。
下着入れ、寝具、畳、床など必要と思われるところはスミスリンを散布します。
布団乾燥機なども効果的があります。

注意
 性感染症ですがまれに浴場、日帰り温泉などで感染があります。
発疹、発赤、痒み、湿疹等のアレルギー症状があれば医師または薬剤師に相談の事。


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咽頭クラミジア感染

■咽頭クラミジア感染


 オーラルセックスや性風俗の多様化のなかで咽頭(口腔内)にクラミジアや淋菌が感染し性病を伝播、蔓延させる原因ともなっています。扁桃腺炎、咽頭炎、などととしてのどや扁桃腺の腫れと痛み、発熱、咽頭痛などの症状が出現する場合もありますが、一方で慢性的に感染が続きまったく無症状で潜伏感染している場合も少なくないことが知られています。

 オーラルセックスが性病の原因になることを知らない人も多く、また風俗従事者はイソジンのうがいをすれば殺菌されてうつらないだろうと安易に考えているので咽頭クラミジア感染者や咽頭淋菌感染者が増加しているのが現実です。イソジンのうがいでは感染は予防できません。

 女性で性器にクラミジアが感染している場合咽頭にクラミジアが感染している割合は10〜20%という報告があります。一般的に咽頭クラミジア感染や咽頭淋菌感染では治療期間が通常より長く、2〜4週間かかることが知られています。

 咽頭淋菌の検出に際してはPCR法では他のナイセリア族(淋菌の親戚にあたる菌)と交差性があり擬陽性となる場合があるのでSDA法などが推奨されています。

 


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